コスト低減を考えた場合、ガラスレンズより、プラスチックレンズのほうに分があります。しかし、プラスチックレンズは成形時のひずみや、形状精度の点でいまひとつガラスレンズに劣っておりました。
しかし、リコーが開発したリメルト成形は、従来の射出成形では困難とされていた高精度で内部歪みのない大口径・厚肉・偏肉量の大きいプラスチックレンズの成形を可能にしました。いわばプラスチックレンズに優しい自然な成形法であり、成形機や金型に複雑な制御や構造を必要とせずに、ガラスレンズ並みの高精度なプラスチックレンズを容易に加工することが可能です。
長年の成形ノウハウの蓄積のもと、独自の射出圧縮技術、低圧成形技術、形状補正技術、温度コントロール技術により、長尺レンズ、fθレンズ、大口径PJレンズ、非球面ミラーから、小径撮影レンズ、プリズムまで高品質成形を可能としています。
リコー独自に理想の成形法を追求した結果、高精度、低複屈折、大きなサイズも効率的に成形できるリメルト成形が実現しています。これにより、ガラスレンズに近い精度のfθレンズや、レンズより高精度を要求されるfθミラーの成形を可能にしました。
球面ガラスレンズに薄いUV樹脂層を積層させて、非球面を形成させたハイブリッドレンズは、いままでより大口径化、高精度化を実現することで、プロジェクター投射レンズの高精度化、コンパクト性を実現することができています。